何枚かの皿に傷が目立つようになったので徐々に入れ替える事にした。トラブル回避のため配偶者への相談は怠らない。彼は言った「美穂の好きな食器で生活すればよい」。言われたのでイヌのキャラクターがついたグラスは破棄することにした。ノベルティであり思い入れもなくなんとなく置いてありなんとなく使ってるだけだ。ということでゴミ箱手前に追いやっていたら物言いがついた。
配偶者「使ってるから捨てるな」
わたし「好きな食器に囲まれろって言ったじゃないの」
配偶者「オレが使ってる」
ああもうわたしの「好き/嫌い」の判断が入る余地がないタイプの話だ。サーモスのタンブラーがあるので冷たいものならそれで飲めばよいじゃないかとあがいてみたが案の定ムダだった。その後も息子がちびっこの時絵付けしたプレートを捨てようとしていたのを配偶者に見つかり止められる。恐竜を描こうとしてうまいこと行かず、緑と青と黒の絵の具を指先でぐちゃぐちゃーと混ぜた前衛的なデザインの皿。最近見ているとこころが不安定になるからそろそろサヨナラしたいのに。息子の作品は他にもあるしもういいじゃないか。配偶者曰く「思い出」だそうだがあの時現場にあんたいなかったでしょうが。すべてを飲み込んで皿は洗って食器棚へリターン。数日後こっそり菜箸などを仮置きする「調理用」へと役職を変え以降食卓に出してないんだけど当然彼は気づかないよね。イヌのグラスといい塩田千春の作品程度にはざわつく息子作プレートといい、なかなかしぶとい。わたしがお気に入りの食器に囲まれて暮らせるのは日はいつ来るのだ。現在引き出物の器が食器棚の結構なスペースを占領している。処分の理由作りのために絶対使わない。それらが配偶者のパワーワード「まだ使える」に守られているのが憎い。そして配偶者は毎日欠かさずイヌのグラスでアイスコーヒーを飲んでいるワン。
サンキュ!STYLEで記事を書いています。
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