視野を広げるのがいいと分かっているのに私たちの視野が一向に広がらないのはなぜか。

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視野を広げよう・モノゴトを客観的に見よう・多角的に視点を持とう。ありふれたメッセージだ。しかし、目に入るたび「そうだよな」「そうしよう」と思うわりには、私たちの視野はいうほど広がらない、ような気がする。もし「視野を広げよう」というメッセージが本当の意味で人々に理解されているのだとしたら「視野を広げようキャンペーン」はとっくに終わっているんじゃないだろうか。理解されていないからおんなじメッセージが延々と繰り返されているわけだ。

「視野を広げよう」「視点を変えよう」って、「ポジティブに生きよう」とか「自分らしくあろう」とかっていうのと同じ抽象的な概念であり、聞けばみんな「そうそう」って思うんだけど、非常に具体性に欠けているから実生活に反映するほどの意識や行動の変化を生み出せない。すぐに元あった主観に戻っていく。

・ポジティブに生きよう→私たち「そうだよね」→具体的行動が分からない→生き方は変わらない

・視野を広げよう→私たち「そうだよね」→具体的手法が分からない→視野は広がらない

そんな感じ。なぜだろう。なんで頭で分かってるのに、私たちの視野はこんなにも広がらないのか。多角的に見たつもりでも、なぜ見ている景色がほとんど変わらないのだろう。

そもそも私たちが前提として持っている「視野を広げられると思う範囲」がクッソ狭いのではないか。わたしがそう思い当たった背景には天文物理学者であるBossB（ボスビー）氏の存在がある。

YouTubeのあるチャンネルでBossB氏がインタビューを受けているのを観た。以下「そんなこと知らないの？」とわたしを見下すタイプの人は、どうぞ見下してください。BossB氏曰く「動きとは相対的なモノ」。

わたしは東京の某所にて椅子に座っている。わたしは一か所に留まっていて、移動はしていない。つまり動いていないことになる。しかし宇宙からわたしを観測したら、わたしは地球の自転と共に動いていることになる。わたしが「動いているかいないか」は、「どこから見るか」で変わるわけである。

・地球上で東京某所にいる山名を観察する→山名は動いていない

・宇宙から地球にいる山名を観測する→山名は地球の自転と一緒に動いている

なーる。すごく腑に落ちた。なーる。視点を変えるってーそういうことなんよー。

しかし私たちが現実に行う「視野を広げる」「視点を変える」行為、それによって行われる「解釈を変える」試みって、よくて2次元か1次元的、下手したら0次元的に行われているんじゃないだろうか。人間の思想よ、肉体が住まう4次元時空まで出ておいで。

「日本は以前に比べて貧しくなってるけど、世界的に見たら全然豊かだよね」って、頭では分かるじゃないですか。でもそれって座ったまま「そうだよね～」「だから私たちって恵まれている（はず）だよね～」って解釈だけ変えてる（つもりになっている）に過ぎなくて。実際動いてないし動いたって感覚も持ててないから、本人の中でドラスティックな意識改革が起こることなくホメオスタシスに従い「でも貧しくなったのは事実だよね～」と戻ってきてしまう。

なんていうんだろうな。物理的に行けるかどうかは別として、今この瞬間オンタイムで

・発展途上国から日本を見ている

・宇宙から地球を見ている

世界線に対するリアリティというかライブ感というかが著しく欠如しているんだろうな。あくまでも「もし、外国から見たら」「もし、宇宙から見ることができたら」っていう仮定のもと想像しているだけで、検証されない。実際問題個人で検証するのは難しいんだけどさ、「検証や観測が可能な事案である」という発想自体がないのだ。

「日本って～」と談義する目の前のテーブルの上が「見方を変えられる範囲の限界」であり、その向こうにも移動可能な空間が広がっていることに意識を向けられない。やっぱ2次元。思考と発想の前提が2次元なんじゃないだろうか。4次元時空よ、いずこ。

ああ、これが日本式教育が持てる悪い側面か……。なんか今、絶望したわ。絶望したから一回終わる。希望はある。物事は相対的だから。解釈が未来を創るから。ドンマイわたし。出直します。

BossB氏、外見がなかなかのギャルなのだが、パッション溢れるお人柄と天文物理学の説明の分かりやすさが素晴らしすぎる。ぜひInstagramやTikTok、YouTubeをご覧いただきたい。

BossB氏Instagram

BossB氏YouTube

で、「天文物理が分かるかも！」と、調子に乗って書籍を買ってみたがわたしには難しくて止まっている。がんばる。ドンマイわたし（それでもかなり、素人に分かりやすく書いてくれてると思う！）。