耳のないパンを焼く41の方法。

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レビュー・シャドウサイド#30 佐野徹夜「アオハル・ポイント」

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どうも。レビュー・シャドウサイドです。息子用に置いてあった本を読みました。

佐野徹夜「アオハル・ポイント」。

主人公は空気を読みながら「ふつう」に生活する高1男子。金属バットで頭を殴られた後(←この伏線、今回収した)、人の頭上に数字が見えるようになりました。それはその人の「価値」を数値化したもので、頭がいい人やリア充は高いとか、陰キャは低いとか、そんな感じです。同級生との云々を通してアレコレ悶えたり喜んだりする思春期な小説。「価値の数値化」っていうのは面白いと思いました。いじめやカースト的なもの、恋愛、そして自分。中高生にとってはリアルかもしれません。物語としては流れが速すぎるというか、ほとんどのトピックが深掘りされないまま、登場人物の経験値が上がったことになってるのかあっという間にキャラが変わってしまいます。最初に詳細な設定してある意味。語り口もいささか説明的で、それも話の駆け足感に拍車をかけているような。ひとり果てしなくイヤな同級生がいて、彼はとてもイヤなやつのまま終わります。全てをキレイに終わらせる必要はないですが、それは「余韻」みたいなのとは別物で、ただ後味が悪い。某所で中学生におススメみたいな紹介がされていたけど、本当かな。正直なところものによってはYA本より高学年向けの児童書の方が優れている気がします。司書さんが中高生の活字離れ著しく、転生モノばっかり、それでなくても内容も似たり寄ったりと嘆いていたのはこういうことか。息子に与えているYA本、内容が浅いものばかりになっていないか、ちょっと心配になってきました。中高生向けの本って、こういうものなんでしょうかはて。