耳のないパンを焼く41の方法。

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レビュー・シャドウサイド#25 吉野万理子「赤の他人だったら、どんなによかったか。」

どうも。書籍レビューです。

図書館のYAコーナーにあった本、吉野万理子「赤の他人だったら、どんなによかったか。」

赤の他人だったら、どんなによかったか。

「朝日中学生ウィークリー」掲載の「赤の他人?」と「赤の他人でいいじゃない?」を合わせて加筆した書籍。舞台は中学校。あらすじ等はスキップ。

天然な分、シリアスな場面で強い発言権を持つ喜々(キキ)

いじ(め)られキャラでありながら、達観している淳史

キッツい中学生活の中で進んでく聡子

前編の主人公である風雅が一番大人びているようで、一番中学生らしい幼さがあるのかもしれない。

2015年に発行された単行本ですが、それぞれが枠にはまらず個人として成立(しようと)しているのは、多様性とかが重視されつつある現在にもフィットするお話です。

学校は「みんなと同じでないといけない」という同調圧力の権化であるというのはすでに大人の思い込みなのかもしれないね。もちろん物語に出てくる洋介と取り巻きのように、そういった部分も少なからず残っているだろうけども、「陽キャ陰キャ。力関係でいったら前者が強」という単純な図式が今の中学生にきれいに当てはまるわけではないのかもしれない。

にしても、偏見だとかいじり(いじめ)だとか、描かれる中学生活は読んでてそこそこきついです。「まぁハッピーエンド」が息子の感想だったのですがおばちゃんにはわりに重たい。「キミらはこの本のようなキッツい中学生活を普通のものとして送っておるのか」と問うたところ、息子は「これはフィクションです」とは言わなかった。子どもの現実キッツー。

昔と同じようで少しずつ変わっていく中高生の世界。不定期でもYA小説を読んで、子ども達のいる場所の雰囲気を掴んでおこうと思った次第です。