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星新一の本に息子がハマっています。わたしもチラチラ読んでます。
「妄想銀行」の中に
「末路」という短編があります。無名の芸能人がマネージャーに出会い、ありとあらゆる職業や機関をぶった切る痛快な「辛口批評家」として一躍有名人になる。本人は成功は自分の実力だと思い込みほどなく独立。しかし彼に批判を受けてきた世間は冷たく仕事はおろか生活さえ成り立たない。成功もマネージャーやメディア関係者の目論見によるものと判明。行き場をなくした彼は……みたいな話。
星新一はしばしば現代を予言するような話を書いたとグーグルさん談。「末路」もそうだと思うのね。この場合主人公は辛口の誰かというよりSNSにおける炎上キャラに通ずるものがないかしらん。きっかけは分からないけど何かの拍子で炎上してバズって、その注目された体験が快感になっちゃって。話題が下火になるとつまんなくなってきて。自分を利用する人が出てきて、でも気づかなくて。注目を集めるためにバズりを求めて燃料投下、炎上、快感、鎮火、燃料投下。炎上させるため投下する燃料が的外れな主張や誰かへの罵詈雑言と化していったら……。それはまさに「末路」の末路そのものというか。敵を作ってみんなには飽きられて、どこにも行けなくなっちゃいそう。
なんてことを書きながら頭をよぎったこの話。
一部抜粋。
アメリカだとトップカルチャーなものが、こっちだったらお笑いじゃない扱いをされるわけですよ。独演会のチケットはいつも完売で、いっぱい人が来て、笑ってる人がいるのに…。
「スタンドアップコメディがやりたい」と宣言していますけど、1番の目標は自分自身のアップデートというか、変化がほしいんです。
うーん……以下略。
上に出した「末路」の次におさめられている物語「かたきうち」は最後の最後で、人間の黒い部分がわりに爽やかにさらっと描かれていて、真意はじわってひょえっ!ってなるの。この作品を持って思うにブラックジョークとか風刺とかは、暴れて周囲を巻き込んで成り立つものではないってことだ。これは暗にほのめかす日本的なやり方で他国の文化ではないのかもしれないけどね。直球よりウィットにとんだシニカルさのがわたしは好きよ。わたしはできないよ。ムリムリムリムリ。星新一がやるから大丈夫。才能ある人に任せよう。
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