耳のないパンを焼く41の方法。

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マグカップはもういい。

    マグカップを贈られないまま人生を終える人なんているんだろうか。お誕生日にイニシャル入り・陶器市で作家もの・結婚祝いにペアカップ・携帯ショップのノベルティ・旅行のお土産……。「毎日使うでしょ」「あっても困らないでしょ」的安易なノリのマグカップは個人的に遠慮したい。毎日使うからすでに各人持っている。コーヒーとココアと紅茶を一度に飲むシチュエーションはほとんどないから多く見積もってひとりにつきふたつあれば十分である。バラバラと集まるので統一感もない。マグカップというカジュアルさゆえ来客時には使わない。使わないから壊れない。壊れないから捨てられない。デザインが好みとかけ離れすぎていると箱から出す機会さえない時がある。ごめん率直に言って要らないんだ。でも頂き物だから口が裂けてもそんなこと言えない。

    写真は母親が海外旅行のお土産に買ってきたものだ。特産物有名品がデザインされた総牛柄フロムスイッツァーランド。背が高くて食器棚に立てて置けないという意外な不便つき。だから要らないのにー。

 

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    お土産でも贈り物でも「消費できるなにか」を選ぶのがやはり得策じゃないだろうか。簡単にいえば食べ物とか男性ならビジネス用靴下とか。でも食べ物は好みもあるし靴下は相手のサイズがわからなくて困ることがある。プレゼントの類は贈る方も贈られるほうもなやましい。聞いても「気持ちだけでいい」と言われるから未だ今年の父の日のギフトを贈っていない。母親は昨年の冬に「母の日を前倒ししてくれ」と言ってきたのでご所望されたものを献上した。こういう合理主義が嫌いではない。誕生日記念日お土産。なにかを贈るのに理由づけするのはやめよう。年に一度か二度、好きな時に欲しいものをリクエストするシステムにしないかな。そうしたらマグカップの生産量は減るのかもしれない。そこは代わりに茶碗か湯のみでも作ってください。

    でも人間関係を円滑にするための気配りとしての手土産はいるよね。それがマグカップだと困っちゃうけど。

 

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